導入&1部屋目
ある日、いつも通りの日常を終えたあなたは就寝の準備をしていた。
何となくSNS(テレビ)を見ていると、見知ったアイコン(顔)が「百物語」について話しているのが目に留まった。
普段なら意識するようなこともない内容だが、今日はやけに頭に残って仕方がなかった。
きっと疲れているのだろう。
そう結論付けてあなたは眠りについた。
肌寒さを感じたあなたが目を開けると、視界に入ったのは見慣れた天井ではなかった。
正方形の部屋、中央にテーブルがあり、それを囲うようにソファがおかれている。
あなたはそのソファの1つに横たわっていた。
慌てて飛び起きると、別のソファに座っていた誰かから声をかけられた。
それは何かを抱えた高校生くらいの少年だった。
「あぁ、修理屋さん。目を覚ましたんですね!よかった。
早速だけど仕事をお願いしますね」
彼はあなたにそう話すと、抱えていた何かをテーブルに置いた。
行動開始
・(必須イベ)少年と話す
APP18くらいの少年。
【目星】上質そうな服を着ている。穏やかな笑みをたたえており、上品な印象を受ける。
「この部屋の住人ですよ。今日は大事なものを直してほしくて修理屋さんを呼んだんだ。
来てくれてありがとう」
「見てもらえばわかるよ。」
そう言って机の上のものを見るように促す。見る場合は後述。
「お仕事が終わってないのにもう帰る話かな?」
「僕の部屋ですよ。」
「他の部屋は僕の部屋じゃないから詳しくはわからないですね。」
【心理学】
成功→探索者の来訪を歓迎している。大切なものの修理を心待ちにしている。
失敗→あなたは突然の状況で動揺しているのか、何も分からなかった。
F→少年からは驚くほど何の感情も読み取れなかった。
(少年について)
知ってることは教えてくれるし協力してくれる。
知らないことは知らないので、正確に質問をしないと欲しい答えは返ってこない。
(少年を攻撃する場合)
少年は困惑した表情をみせるが反撃しない。ふつうに死ぬ。HP10程度。
死んだところで無貌の何かが出てくることはないので安心。
無抵抗の少年を殺害してしまったことに対するSANC1/1D3 。
(その後の分岐)
少年を殺害したが人形を完成させる→END3
少年を殺害し、人形を完成させず部屋選択を誤る→END1(P.7))
机の上のもの(人形)
とても精巧につくられた女の子の人形。長いスカートをはいており、座高は30cm程度。
目を閉じているがきれいな顔立ちをしている。
少年が「彼女をなおしてほしいんです」とあなたに話しかける。
「少し、足りないものがあってね。
僕と彼女はここで待っているので、あなたにはその足りないものを持ってきてほしいんです。」
これ以上のことを彼は語ろうとしない。
(心理学を成功しても「思い出すのも不快なことがあったかのようだ」と感じる程度)
(目星なし情報)
ふんわりとしたドレスを着ているが、よく見るとシルエットに違和感がある。
触ってみると普通の人形にあるべきパーツがないことに気づく。
両腕がないのだ。
腕が生えていたであろう両の肩には、腕が嵌るであろうくぼみが存在している。
(『足を見る』宣言or目星)
人形のスカートをめくると、足はあった。
確かに足はあったのだが、それはあなたが想像しているものとは異なっていた。
人形は人の形を模したものである。
であるならば、その足の数は人間と同じく2つであるはずだ。
足は、3本あった。
あなたが目を疑い、瞬きしたその刹那、足は2本へと変化していた。
見間違いだったのだろうか。この至近距離で。(SANC 0/1)
(上記で宣言ではなく目星ロールで成功した場合の追加情報)
どうやら人形の瞼は開閉可能であるようだ。
しかしその両の眼窩には収まっているべき眼球がなかった。
「その情報はあなたには必要ないですよ。
彼女の名前は、僕だけが知っていたらいい」
と少年は笑顔を崩さずに言った。
(発言への心理学)
クリティカル→独占欲が透けて見える
成功→少年は心からそう思っている
失敗→実は名前なんてないのかなと思った
F→適当にその辺で転んでてください。HP-1
(人形に対しての呼び方)
・適当に名前を付けると少年がキレます。
・「お人形さん」、「人形」と呼ぶのは特に何もないです。
・「レディ」とか敬称で呼ぶと少年と人形から探索者への好感度が上がります。
(少年の依頼を拒否する場合)
「もう、修理屋さんってば。
僕がお仕事を依頼して、あなたがそれを請けてここに来た。
今更断る理由がわかりませんよ。」
と少年は気に留めず話を進めてしまう。
- 徹底的に依頼を拒否する場合
- 「やれやれ、仕方ないですね。せっかく彼女がなおるかも、と期待していたのだけれど。」
と少年があなたを残念そうな、それでいて冷淡な眼差しで見つめる。
するとあなたは段々意識が遠くなっていった。
暗闇の中に意識が沈み込んでいく寸前、
「許さない」と怨嗟にまみれた女の声が聞こえた気がした。
SANC 1/1d3、POW永久-1。1d10日間悪夢にうなされる。SANC 日数×1/1d3。
そんなぞっとするような不思議な体験は、平凡な日常を過ごしているうちにきっといつか記憶の中に埋もれていくことだろう。
おめでとうございます。シナリオクリアです。(POWは送迎の無駄な手間をかけさせられた駄賃代わりに持っていかれました。
トリガー『古い人形』で不定の狂気を強制発症させても面白そうですね)
部屋内部の探索
正方形の白い部屋。探索可能な所は
机、本棚。
そして内開きの扉が部屋の四辺のそれぞれ中央に、計4ヶ所ついている。
図参照。
机
丸い机。人形が鎮座している。
(目星)
机には特に情報はない。すまぬ。
本棚
・本棚
たくさん本が入っている。人形の衣装や歴史など、人形に関する本が多い。
(図書館orアイデア)
成功→付箋が一枚貼られた『怪異事典』を発見する。
付箋のページには『3本足のリカちゃん』の項目がある。
- 3本足のリカちゃん
- 全国に広く流布している学校の七不思議の1つ。
「3本足のリカちゃん遊びましょ」と唱えると包丁を持って追いかけてくる、
かくれんぼに誘ってくる、などバリエーションに富む怪談。
(本シナリオでは人形に上記を言っても追いかけてきたりはしないし何も起こりません。)
(怪異辞典はなんだかんだ必須アイテムなので、何かしら理由をつけて確実に入手させてください。)
クリティカルorリアルアイデア→『七不思議』のページを調べる。
『七不思議を知ってしまうと帰れなくなると言われている。』
と記載があり、そのページの端に『必ず6つまでに留めること』と手書きの乱雑な文字で書きなぐられている。
扉
●北(上)の扉
(目星なし情報)
探索者の目線より少し上の辺りに、【2】と書かれた紙が貼り付けられている。
また、プレートの真下、ちょうどあなたの目線の辺りにのぞき穴のようなレンズが嵌っているのがわかる。(家庭の玄関のドアスコープみたいな感じ)
鍵はかかっていないようだ。
(紙を取るorよく見る宣言)
紙の裏側に
と書かれている。
(目星)
何の変哲もない普通の扉。それなりに頑丈そう。
(聞き耳)
何の音もしない。
(のぞき穴から覗く)
あなたは意を決してのぞき穴を覗き込んだ。
部屋の内装が見えるだろうか、中に何かいるだろうかと想像していたあなただったが、視界に広がる光景は、
赤
赤一色だけだった。
(SANチェックは今はいりません。これ以上の情報は入室後に。)
(リアルアイデア『赤い部屋』を成功させてしまった人は2の部屋のSANチェックをちょっと減らしていいんじゃないでしょうか。)
●西(左)の扉
探索者の目線より少し高い所に【3】と書かれた紙が貼られている。
(北の扉のようなのぞき穴はない。)
(目星)
情報はない。
(聞き耳)
何かの息づかいが聞こえる。複数のようだ。
(紙をよく見るor裏面)
●東(右)の扉
探索者の目線の高さに【4】と書かれた紙が貼られている。
(目星・聞き耳)
特に情報はない
(紙の裏)
と書かれている。
●南(下)の扉
探索者の目線の高さに【5】と書かれた紙が貼られている。
(目星・聞き耳)
とくに情報はない。
(紙の裏)
一つを選択することは一つを切り捨てることである】
と書かれている。
各部屋を回って部品を手に入れたら(※重要※)
この部屋から繋がる先で、人形の部品が見つかります。
そして各部屋から別の部屋に行く際にこの【1】の部屋を中継することになるので、
集めた部品をその都度人形に嵌めていくといいでしょう。
むしろ部品を持った状態で最初の部屋に戻った場合は人形に部品を戻すようにと探索者へ声をかけてください。
パーツは全部で4つ。
嵌めた時の少年のセリフ
- :「修理屋さんありがとう!あと3つですね」
- :「あと2つで修理が終わりますね!ありがとう」
- :「ああ、あと1つ。長かった。修理屋さん、本当に修理を引き受けてくれてありがとう!最後の部品が見つかったらすぐ戻ってきて下さいね!!」
- :(後述)
KP向け情報(1部屋目)
◆ソロシナリオですが最初の部屋のソファの数はPL人数+1あればいいです。
PLが4人いる場合は椅子でも生やしてそこに少年を配置してください。
少年は某邪神ではないですが、トゥルーEDへのキーパーソンではあるので大事にしてあげてください。
◆扉にのぞき窓がついているのは北(2と示された部屋)だけです。
◆足りないパーツは4つです。
◆このシナリオは見た夢を補強してつくっているので、粗が目立つことと思います。
細部のキーパリングは各卓の采配で調整いただいて構いません。
サイコロ振るのってなんかたのしいですよね |