大刀剣市、お疲れ様でした!
いろんな方に記事を見ていただいたり、実際に行ってきたというご連絡をいただいたりしてとっても嬉しかったです(o^―^o)
自分の推しジャンルにたくさんの人が興味をもってくださることは幸せです(o^―^o)
さて、
しかし
普通の家で管理できるか不安だから購入をあきらめている…
そんな方とお話をする機会がありました。
なので今回は私がどんな感じで日本刀を管理しているかを解説します。
この記事の結論は、『一般家庭でも、問題なく管理できます。』につきます。
ちなみに私の居住環境
・ワンルーム
・ベッド派(収納スペース確保のため)
・本棚などを置いているのであまりスペースがない
今回は見やすさの観点からQ&A方式にさせていただきます。
多分、刀剣保存協会のQ&Aとか刀剣ワールドさんのQ&A、書籍などを見た方が専門的知識はわかりやすいと思いますが、刀を所有している一般人視点で記載します。
普段刀に関する話をなかなか聞けないけれども興味がある…でもなんか遠い世界みたいに感じる…という方の参考になればと思います。
はじめましての方ははじめまして! 日本刀大好き、ぼたまる雪です。(以前は牡丹の名前で記事を書いていました。) ゲームなどで題材になることが多い日本刀。 『自分だけの刀』という響きに魅力を感じているけど 日本刀のお店に入るの怖いなあ。[…]
先日、自身が日本刀を購入した一連の流れを記事にしました。 https://www.iroten-nurse.com/motto-huero-aitouka ゲームにハマる→博物館でときめく→刀屋さんに通う→愛刀購入 までの流れを書いて[…]
目次から気になるところに飛んでください。(だいたい目次でネタバレしてます。)
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1.法律
Q.日本刀所持に資格は必要? -A.不要。
日本刀を所持するためには、何も資格はいりません。
強いて言うなら、日本刀が好きだという気持ちだけで十分です。
Q.日本刀を買うのって、銃刀法に触れない? -A.触れない。でも所有者変更届は忘れずに。
別に日本刀の購入は法律に触れません。
銃砲刀剣類所持等取締法の枠組みに日本刀は含まれています。
でもこれは、実は「凶器になりそうなもんは一緒くたにしちゃいましょうね~」っていう感じでまとめられてるだけです。
日本刀はあくまで『美術品』の扱いです。
「古来から武器としてではなく、美術品や信仰の対象としても扱われてきたんだよ」と強く交渉して
「美術品なら仕方ない」と一部返還された歴史が影響してるんだと思います。
大体はお店や刀匠さんで案内してくれます。
登録証の画像(Wikipediaさんより)。
この場合愛知県教育委員会へ葉書などで届け出ます。
Q.登録証って何? -A.刀の戸籍みたいなものと認識しています。
前述の登録証。
これはその日本刀が美術品として認められていることを証明するものです。
これがあることで、私たちは何の資格がなくとも日本刀を所有できます。
生まれた(or発見された)都道府県の教育委員会に申請し、登録証を得るとお外も移動できます。
個人的に、登録証は日本刀の戸籍みたいなものだと思っています。
所有者変更届は住所変更届みたいだとも感じています。
Q.日本刀って持って歩けるの? -A.可能!登録証は必携。あと、日本刀だと分からないように包む。
お店から家までとか、普通に日本刀を持って往来を歩いてます。
(ひったくりとか怖いしむやみに持ち歩くものでもないので頻度は低いですが…)
バスも電車も乗ってます。
飛行機は、航空会社に問い合わせてください。
ただ移動の時は、必ず登録証を一緒に携帯して下さい。(小さな紙なのでかさばりません。)
日本刀と一緒に登録証を持ち運ばないと銃刀法違反になります。
ちなみに登録証を白鞘につけることがありますが、個人的にはやっていません。
盗難にあった際、登録証がないと自分が所有していることが証明しにくい(=返ってきにくい)そうです。
盗人万死なのです。
一応女性で、ひったくりや盗難がすごく怖いので対策はとるようにしています。
登録証を持ち運ぶときは、財布やバッグなどに入れるなど、鞘とは分けて持ちあるくことをおすすめします。
包むことに関しては次項に。
Q.持ち歩くときに何に包む?どんなバッグがいい? -A.風呂敷でも問題ない。
上記に関連して。
日本刀は、持ち歩くときに白鞘や拵が人から見えないようにしないといけません。
でないと通報必須です(´・ω・`)
基本は白鞘にいれて、刀袋にいれて、さらにバッグや風呂敷で包めば日本刀を持っていることは分かりにくいです。
短刀サイズだと刀袋を鞄にいれてチャックすれば大丈夫だと思います。
私の場合は約70cm(白鞘)、手持ちの鞄に入りません(´・ω・`)
日本刀専用のバッグはお値段に手が届かず、また、シンプル・クールな外観なのでもっと可愛いのがほしいと思って探しました。
(↓知人曰く、
「バッグの中で動かないし、2本運ぶときに中でぶつかり合ったりしない。雨が降っても中が濡れない!」
と絶賛していたので、日本刀専門のバッグも素敵だと思います。)
しかしバッグの捜索は難航。
剣道の竹刀袋では長さがそもそも合わない(竹刀はMax120cm。刀の定寸(標準サイズ)は72cm前後)。
いかにも刀袋、という綺麗な布のものもあったのですが、
前述の「ひったくりこわい」の観点で、日本刀と分かるような袋で持ち運ぶのは難しいかなと。
最終的に、
「どういう物に入れて運んだらいいでしょうか?」
と刀屋さんに相談したら、
とお返事をいただいたため、早速風呂敷を探しました。
↑撥水生地の大判の風呂敷。
これの場合、対角線の長さは 約125cm×√2=約177cm。
刀の2倍近く長さがあればいけます。
刀は一振りなので、風呂敷で問題ありませんでした。
リンクを貼った「ながれ」は柄が素敵なものも多いです。
防水性にも優れ、風呂敷なのにバケツ代わりに水を運べるほどなので災害時も有用。
今回私は柄・サイズ違いですがこの「ながれ」シリーズを買いました。
(イベントに行ったときなど、ウス=異本を風呂敷につつんでトートバッグに入れるとステルス性高いですし、雨が降っても安心です。
風呂敷の汎用性は高いです。)
「ながれ」シリーズは柄も可愛いものが多くて好きなので、ご紹介します!
小さめの風呂敷は割とお手頃価格です。
ただ、短刀脇差サイズはとにかく、大判サイズだとデザインが少ないので好きな布を買って撥水スプレーを掛けるのでもいいと思います。
私の包み方は、
白鞘入りの刀袋をプチプチシート(緩衝材)で巻いて風呂敷で包んで、ぶつけても大丈夫な仕様にして運搬してます。
緩衝材はプチプチシートじゃなくても、わしゃわしゃにした新聞紙をぐるぐる巻いてセロテープで留めても大丈夫です。
結論:刀専用の鞄でなくてもOK!
こうやって運ばないと!という厳密な決まりはないけど、ほどけたりぶつけたりしないようにだけ気をつけましょう!
Q.家に警察が来る? -A.来ません。
「日本刀を持っていると、管理のために警察が家に来るって本当?」と質問がありました。
うちに来たことはないですし、聞いたところ来ることもないとのことです。
ちなみに猟銃を持っている知人に聞いたところ、銃は所持に資格がいるし他人に触れさせてはいけないし審査も必要だと言ってました。
多分銃の方がそうなのだと思いますが、銃については勉強不足ですみません。
同じ銃刀法でも銃と刀の扱いが違うのは上記でも述べたのですが、同じ法律でくくるから混同されがちのようです。
2.管理編
Q.本物?斬れる? -A.本物です、斬れます。
模造刀や刃引きされた刀ではないので、普通に切れます。
ちなみに日本刀でよく言われる
「折れず、曲がらず、よく切れる」
なのですが、これは名刀の条件ではありません。
日本刀の前提条件です。
なので日本刀である以上はどんな刀でも切断能力は備えています。
だからこそ、どう日本刀と接したらいいのかを知る必要があるのだと思います。
武器としての能力だけでなく、日本刀そのものの美しさや受け継がれてきたこころも知れ渡ってほしいなと思っています。
名刀に関する考察のリンクです。
Q.指斬ったりしない? -A.ない。むしろ料理の包丁の方が切るレベル。
(個人的には、『ぶつける』とか『刃に触る』とか刀が嫌がることをしなければ、刀もこちらを傷つけるようなことはしないと思っています。)
Q.お手入れって、ぽんぽん? -A.ぽんぽんするやつ。
刀剣乱舞のゲームでもおなじみの『手入』。
初めて見学した時はすごくわくわくしました。
今でも人が手入れするのを見るのも、自分が手入れするのも超楽しいです。
さて、手入れの工程を詳細にかくと長くなるので、簡易に書きます。
私がいつもやっている工程は、
- ぽんぽんして、その後打ち粉をぬぐう。(=ゲームの『手入』の工程。表面の古い油分をとる目的。)
- 油を塗る(丁子油など、刀剣専用の油があります。)
- 油を軽く拭き取る(ティッシュでOK。後で詳しく説明します)
- もう一回ぽんぽんして、その後打ち粉をぬぐう。(余分な油をとります。)
この工程を年数回やっています。
自分の誕生日とか梅雨入り前とか、おおよそ3,4か月おきくらいで。
ちなみに、お店によっては手入れの頻度や方法の説明に若干違いがあるようです。
なので、手入れの方法・頻度などは購入時に教えてもらった通りにやるのがいいです。
ぽんぽんする道具や油を塗る道具は、基本的に手入れ道具のセットの中に入っています。
持っていない場合は購入元(刀屋さんや刀匠さん)に相談しましょう。
あと、③のティッシュを使う理由は、本だと拭い紙を使うと書いてありますが、拭い紙は使い捨てにするには高価だからです。
油も打ち粉もティッシュで拭います。使い捨て上等なのが利点です。
そしてティッシュは、何を使っていいわけではありません。
ウエットティッシュやローションティッシュはダメです。それは人間用にして下さい。
街で配られるタイプのポケットティッシュみたいなゴワゴワするティッシュもダメです。ご自身の外出用にして下さい。
刀屋さんからオススメいただいたのは、スコッティのカシミヤです。人間用・刀用の兼用にできます。
↑こんなやつです。コンビニでも買えます。ふんわりやわらか。
(画像が貼れて購入ページにもいけるのって説明が楽だなあ…楽しい( ˘ω˘ ))
Q.家ではガラスケースとかに入れて飾るの? -A.白鞘にしまってます。

私は一般人(ワンルーム暮らし)なのでそんなスペースも金もありません…
と思っていたら愛刀家仲間の方が自宅でも博物館並みの展示をできるケースを完成させていらっしゃいました。
本当に美しいのです…。
漆塗りが美しいのです…。ライティングも素晴らしいのです…。
自宅が博物館になります。
下記リンクの「制作日記」の方は刀制作の試行錯誤の流れが細かく載っています。刀ケース師の中村さまの刀への並々ならぬ情熱やこだわりが見えます。
下の「刀箱師」のリンクは、刀ケースのショップページとギャラリーページの写真が素敵です。
リンク(ご本人許可済):
話を戻して、私の刀は白鞘に入れて刀袋にしまっています。
見たいときだけ刀身を出す感じです。
保存は白鞘にしまっていたら、基本的に問題はないです。
ちなみに、ガラスケースに入れずに刀身をむき出しにして展示するのはやめましょう、
埃とか空気中の水分とかがヤバい。
あと危ない。
Q.白鞘に入れる必要って?拵にいれてた方がかっこいいじゃん -A.白鞘=パジャマ。
自分のでも他人のでも、拵に刀身が入っているのを見るとかっこいいなと思います。
しかし刀にとっては
白鞘=パジャマ
なので、基本的には保管の時は白鞘に入れています。
24時間フルメイクは刀にもきつい。
白鞘が割れた・割った時は絶対にボンドや接着剤は使わないでください。
鞘の手入れが不可能になるだけでなく、刀の錆の原因になります。
紐などで括って応急処置をしたら購入元に相談しましょう
刀身は白鞘に入れて保管してください。拵は好きに展示して大丈夫です。
Q.避けるべき保管場所は? -A.防虫剤入りの箪笥、エアコンの吹き出し口、窓や風呂場のそば。
防虫剤は錆の原因になるので、刀の保管場所にはおかないでください。
エアコンの吹き出し口は夏は水滴が飛ぶことがあります。
冬には窓も結露します。
白鞘ガードは有能ですが万能ではないので、湿度や化学薬品の管理には気をつけましょう。
他は、私たちが普通に生活するような環境で問題ないそうです。
あと蛇足ですが、温度はさほど関係ありません。冬の結露に若干関連するかな程度です。
Q.どこに保管してる? -A.上記の場所を避けた場所。
上述の場所を避けるので、ワンルームの保管場所は限られています(切実)
1DKとかの物件を見てると金額面でスンッ…ってなるので、来世は石油王に生まれ変わりたい。
具体的な場所は防犯上伏せておきますね♡
なお、直接この質問をされた時は「テレビ台に置いてるよ」と返答してます。
刀友達の場合は、チェストに布を敷いて神棚的仕様の保管スペースをつくっていました。
結論:上項の避けるべき場所以外ならある程度自由。
保管場所や方法に不安があれば購入元(刀屋さん・刀匠さん)にご相談を。
Q.金庫って必要? -A.あったらいいけど必須ではないです。
小さい子供がいて…とか盗難が不安…とか、そういった不安があれば購入してもいいと思います。
自然災害もこわいですし…(´・ω・`)
我が家はワンルームなので置けない(´・ω・`)
油田掘り当てたい( ´・ω・`)
3.その他言われたこと
Q.日本刀のどんなところが好き? -A.全部。
よく、

美しさも含め現代まで失われることなく残っている事実、
先人たちに大事にされてきたのだろうという思い、 などなどひっくるめて全部好きです。
鍔の付け替えもできるよ!
刀屋さんや愛刀家の先輩方も、例えるなら新規にやさしいタイプの古参というか、初心者でも歓迎してくれるので最初の一歩を踏み出せばあとはずぶずぶ入っていける世界です。
いつもありがとうございます。
おわりに
Q.刀が家にあるって、どんな感じ? -A.劇的に生活が変わったわけではないけど、季節の変わり目とかをすごく意識する。楽しいし幸せ。
刀が家にあるからといっても、新しく居合を習い始めた感じでもないので劇的に何かがかわった感じはないです。
ただ、「連日雨だから、手入れして油をひこう」とか、「冬だし鞘が完全に閉まらなくなったな」とか「鞘がぴったり閉じるようになった。もう春だ」とか、そういった季節の変わり目は意識するようになりました。
あと、辛い時に鑑賞していると心が落ち着く感じがします。
また、見え方が日によって変わることもあるのですが、(刀自体はそうそう変わらないので)自分の心身の調子の変化を教えてくれているのかなーって。
安心感と安定感が半端ないので、日本刀はご神体にもなっていたとか武家の守りだった的な話をみて普通に納得しました。
一緒に寝たり鑑賞したり、一緒に刀屋さんにお出かけ(手入れの後など、保管に問題がないかチェックしてもらってます)したり…。楽しいです。
あと時々鍔をごしごし磨いてる。楽しい。
そういった感じで、自然に生活に融け込んでます。刀とのふれあいというか刀との暮らしを満喫しています。
(∩´∀`)∩<日本刀はいいぞ…!
そういった内容で、今回の記事はここまでにさせていただきます。
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専門家ではないですが、尽力させていただきます。
ブログやTwitterに不慣れなのでお返事にお時間かかることはあるかと思いますが、頑張って全部返信できるようにしたいと思います。
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長い文章でしたが、閲覧ありがとうございました。
みなさまが素敵な刀と出会えますように。